フランスガム社 aki kobayashi インフォメーション      イラスト、文章の無断使用・転載をお断りします
by francegum
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3日めの晩 〜マルセイユの夜のかもめ〜
またしても
目当てのホテルの予約をしていなかったために
次の日の予約をとりつつ別のホテルへ1泊。
荷物を置いてひとやすみ、と思ったら
なぜなのか部屋で延々と喋りつづけたわたしたちは
遅い夕食をとりに
夜の港街へ出かける事になりました。
少し離れていたのでメトロで。

夜の港町はきれいというよりは
少し無気味なくらいでした。
海は深緑色にてらてらと揺れながら輝き
雲のかかった紺色の空には
白いかもめがヒュ−ヒュ−と音をたてながらとびかっていました。
少し無気味なくらいというよりは 
とても いえまさしく 無気味な光景でした。
少し前に下北沢で観た
寺山修司の「かもめ」を題材にしたお芝居を思いだしました。
海へ出て帰らぬ婚約者の船乗りを待ちつづけ
かもめになろうと空に飛んだ娘。
あのお話の舞台はここかもしれないと思いました。

魚料理とサラダを注文してビールで乾杯。
白身の魚は結局何だか分からなかったけれど
ぷりぷりしてとても美味しかった。
眠くなったので帰ろうと駅に向ったら
メトロがもう終わっていました。
乗り換えの大きな駅からでてる線はやってるカモ、と余計な閃きを掲げ
マルセイユの大きな駅へ歩くことに。
(治安が悪いので ほんとうに とても 危険らしい)
((と 様々なガイドブックに書いてある))
もうこうなってくると
歩いている人がみんな悪者に見える!
人の微笑みが 悪魔の微笑みにさえ見える!
コココココ コ ワ イ!
無口と早足で駅まで無事に到着したわたしたちは
そこに 重く閉ざされたシャッターを見る事に。。
結局 TAXIでホテルまで帰りました。
(最初から こうすればよかったのに)
TAXIの調子の良い運転手
深夜の旅行客ジャポネーゼに対して
カウンタよりも微妙に(2ユーロ)加算した金額を請求。
それでも危険から救ってくれた天使と思えば、と
お金を払って車から降りた瞬間
少し離れたところにうずくまったひかるちゃんが
うれしいのか痛いのか辛いのか読み取れぬ表情を浮かべ
こちらに向ってなにやら訴えている!

どうやら車から出た瞬間 
道路に埋まっている鉄の突起物に足をガツンとぶつけたらしい。
彼女のスネには尋常じゃない痛みがほとばしっているらしく
骨折疑惑が浮上する中
とりあえず眠って腫れるかどうか様子を見る事に。。。

「友達の足が折れました」
というフランス語を辞書で確認後
どうかどうか折れていませんようにと祈りつつ 就寝。

人生には 
ツイテる日とツイテない日というのが必ずあって
例えば旅行のように
運や天候にさえも左右されるような状況下においては
その差がとても顕著に感じられるものなのでしょう。
(そう ただそれが大げさに目に見えて感じられるだけのことなんだ)
by francegum | 2007-05-15 20:13 | 珍道中
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